やりたい放題の略奪。制止する勇敢さも命懸け。これがアメリカか。

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平和的に行われている抗議デモがある一方で、その名を借りた暴動が昨日に引き続き起こっています。今日はサンタモニカとロングビーチでひどい略奪行為がありました。小売店のガラスが割られ、白昼堂々、しかもTVカメラの目前で、両手いっぱいに商品を抱えて出てくる暴徒たち。大挙で押し寄せ、入れ代わり立ち代わり物を盗んでいます。暴徒が去った後の店は、まるで爆撃を受けた後のようになっています。

最悪です。日本で報道されている以上にひどいです。

抗議デモは全米約50都市で行われており、その一部が暴徒化しているもよう。カリフォルニア州とミシガン州で死者がひとりずつ出てしまいました。

ロサンゼルスに州兵(National Guards)が到着し、町に出て警備にあたっています。軍隊が大統領・連邦政府の直轄下なのに対し、州兵は州知事(州政府)の監督下で暴動や自然災害の対処にあたります。

私はロサンゼルスに18年住んでいますが、州兵を見たのは初めてです(テレビでですが)。騒動の発端となったミネソタ州では、州兵の動員は第二次世界大戦後初ということですから、それほど珍しいのかもしれません。また、トランプ大統領が「要請があれば軍隊の派遣準備ができている」と発言していることからも、全米の緊迫度がわかります。ちなみに、現在約15州で州兵が動員されているようです。

今晩もロサンゼルス郡全域に夜間外出禁止令が発令されており、警察や州兵が警備にあたっています。私が住むオレンジ郡コスタメサ市は今日初めて夜間外出禁止令が出されました。私自身、昨日とは違う緊張感を抱いています。

自宅近くに、高級ブランドがたくさん入った「South Coast Plaza」という巨大ショッピングモールがあります。コロナの蔓延により閉鎖しており、本当は明日6月1日からオープンのはずでした。しかし暴動の危険性を考え、明日も閉鎖を続けるようです。

それにしても、略奪や放火、破壊といった暴徒らの行為はあまりにも腹立たしい。テレビを観ながら、「人間とはここまで醜くなれるものか」と悲しくなっています。アメリカが好きで渡米し、アメリカが好きで永住し、ここで生きていることに幸せに感じていました。だからアメリカに住んでいることが自慢で、日本のご夫婦にもたくさんお越しいただきたいと思っていました。もちろん今もそうなのですが、暴動があまりにもひどくてみじめで、こんなところにお越しくださいとは今は到底言えません。不謹慎なのを承知で申し上げると、ちょうどコロナと重なって良かったとさえ思っています。日本のみならず世界中から観光客が来ている時だと、あまりにも悲惨です。

暴徒らの行為に対し、「日頃の怒りやストレスが爆発」とは言えません。彼らは犯罪者です。ああいう人たちに反省を促しても無理です。暴徒が多すぎて全員を逮捕するのは困難でしょうが、警察や州兵にはもっと厳しく取り締まりをしていただき、少しでも多く逮捕して罰を与えてほしいと思っています。

今日ロサンゼルスのガルセッティ市長が、「暴動が、平和的に抗議活動している人たちの言葉をハイジャックしている」と言っていました。本当にその通りです。

FOX11ニュースで、破壊行為を止めようとする女性と男性を報道していました(上の動画)。レポーターがたまたまその場に居合わせたようです。ガラスを割る大柄な暴徒を、女性が制止しようとしていました。途中その暴徒に突き飛ばされたり、別の暴徒に物を投げられたりしています。この男女はもともと抗議デモの参加者だったそうですが、暴動のあまりの酷さを見かねて止めに来ているとのこと。とても勇敢で素晴らしいと思いますが、命懸けです。ぜひご自分たちの命も大切にしてほしいと思います。今後彼らに危害が及びませんように。

その男性が最後にこう言っています。
「こんなことをしてジョージ・フロイドが喜ぶはずがない」。

こうした良識のあるアメリカ人もたくさんいるのですが、暴徒にはこの言葉は通じません。悲しいかな、今は圧倒的に暴徒に注目が集まり、やりたい放題している感じがあります。私は「早くおさまってほしい」ではなく、「早く捕まってほしい」と強く強く思っています。


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